プレスチックカードの印刷方法

ダイレクト印刷方式

インクリボン上のインキをサーマルヘッド(プリントヘッド)からの熱により、昇華や溶融によりカードに直接転写する方式です。

サーマルヘッドではインクリボンの種類やインキ型(昇華型や溶融型)により、適切な熱量をコントロールして印刷を行います。

ランニングコストが低く、カードプリンタでは最も一般的な印刷方式です。

再転写印刷方式

カードに印刷する画像を、一旦、特殊な透明フィルム(再転写フィルム)に逆像で印刷します。その印刷されたフィルムをヒートローラーと呼ばれる装置で高温をかけ、カードへ2段階転写を行う印刷方式です。
この方式は、カードへの全面縁なし印刷が可能です。

表面に若干の凹凸のあるICカードには、印刷品位に影響の少ない再転写方式が適しています。

ダイレクト印刷方式よりも幅広いカード素材に対応できるのも特長です。

リライトカードへの印刷(書換え)

ロイコ式リライトカード

カード上のリライトスペース(書き換え)に黒色、青色印字にて書換えするタイプです。 高解像度タイプでは、文字やバーコードだけでなく、顔写真などの画像も印刷可能です。 印刷には感熱ヘッドを利用した熱転写方式となります。 感熱紙の発色原理を応用したロイコ染料と顕色剤の融点結晶化の性質を利用しています。 加熱温度と冷却時間をコントロールすることでリライト特性(発色・印字⇔消色・消去)を実現しています。

※JISⅡカード(0.25・0.76mm厚)、リライト層塗工カード、リライトシート貼付カード、300~500回程度の書換可能。

白濁式リライトカード

カード上のリライトスペース(書き換え・銀色)にポイント数やマークを白濁印字にて書換えするタイプです。 リライトスペースは光を反射する反射層と透明な保護層からなります。 印刷には感熱ヘッドを利用した熱転写方式となります。 温度コントロールにより、機能層内の低分子の結晶状態を変化させ、光の乱反射を利用し白濁印字を実現しています。

※PETカード(0.25㎜)/300~500回書き換え可能。

ベースカード印刷(プレ印刷)

ゴールド・シルバーなどの特色印刷や、コーポレートカラーなどの忠実な表現を要するカードなどに多く用いられます。

また、ベースカードを一括製作することにより、カードプリンタにて印刷する際の必要色を減らして、使用リボンのコストを抑えたり、発行効率(カードプリンタでの印刷速度)を向上させるために採用することもあります。

*カードプリンタでの印刷用に、社名・ロゴ・背景などの固定印刷部分をあらかじめ印刷したカードをプレ印刷カードと云います。 可変データー(顔写真・氏名・バーコードなど)は、カードプリンタにて印刷します。
カード裏面の注意事項のみの印刷や、ボールペンで文字を書けるようにサインパネルを印刷することもできます。
代表的な印刷方式には、オフセット印刷やシルク印刷などがあります。